生物プロセスシステム工学研究室(BioProcess Systems Engineering)では,一連の生物的イベント(生物プロセス;BioProcess)やその反応場(システム;Systems)を解釈し(知の探求;Science),バイオの力を利用することで,人類の営み(生活,産業活動の維持)に幸せを導くこと(知の利用;Engineering)を目指します.特に,酵素など生物反応を支配する素子や細胞・組織などの反応場を提供する空間を対象とし,「ヒト組織の成り立ちを理解し,育む技術を構築・利用する」ことに興味を持ち,生物プロセスの観点から健康・医療技術の問題解決を目指しております.
主たる研究としては,再生医療・組織工学を主とした領域にて,細胞・組織製品の製造にかかわる技術構築や,創薬における領域にて,ドラッグスクリーニングシステムの構築と,細胞・組織を活かした技術構築を行っております.さらに,産業化活動として,生物プロセスシステム工学の観点から,細胞製造を介する新産業分野(細胞治療,再生医療,バイオアッセイ,創薬などへ展開する細胞製造業など)に対し,3つの要素(ヒトづくり,モノづくり,ルールづくり)から成る「コトづくり」を実践し,産・官・学の三位一体で産業を興すことに貢献したいと思っております.「モノづくり」では,細胞製造に関する要素技術を開発し,技術統合された製造プロセスを構築します.さらに,個々のプロセスを一貫性をもってシステム化することで,種々のニーズに応じた最適な細胞製造を実現したいと思っております.「ルールづくり」では,実用化を見据えた技術開発の促進を目指し,規制対応や国際標準化による環境整備を行います.「ヒトづくり」では,細胞製造全般のセンス良い人材育成(モノづくりとルールづくりを理解できる人材の育成)を行います.特に,学生には,研究活動を通し,生物化学工学に関する知識の習得や,先輩・後輩からなるチーム作りを通しての行動力(物事の考え方,達成方法,議論方法,組織形成方法)の資質形成を目指した,いわゆる生物化学工学的センスが磨かれた人財(人材)を輩出します.さらに,スタッフと学生の共同作業による「思いやりのある人財の輩出」を目指した研究教育を行っております.「思いやる力」は,研究などの企画推進,安全確保,組織形成には不可欠なもので,将来,リーダーシップを発揮する有望な人財であると思っております.
現役学生による研究室紹介
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